こんにちは!
バリューイノベーション事業部(以下、VI)制作部所属、ブロガーの松木です。

今回はWEB業界を目指したいという方のために、VI制作が取り組んでいる品質管理についてご紹介したいと思います!

そもそもWEBの品質管理って何?

「高品質のサイト」を作ることが私たちWEBディレクターのミッションですが、何をもって高品質というのか、ちょっとイメージしにくいですよね。

VIが考える「高品質のサイト」とは、

・ユーザーが求めていることに回答できているか
・クライアントの取るべき市場をしっかり打ち出せているか

上記が無理なく両立しており、誰が見ても納得できる作りになっているサイトのことだと考えています。

ユーザーが何を求めていて、検索結果上には今どんな情報があるのか、きっとこんなものがあったらうれしいだろうなと感じること、こんな言葉をかけてもらったらうれしいだろうなと思うことをとにかく大事に紡いで、積み重ねていくという考え方が根底にあるからです。

もちろんクライアントの魅力を100%引き出し、取るべき市場をポジショニングし、戦略を構築することも重要なミッション。
ポジショニング戦略という有名なマーケティング手法が実践で学べる会社なんです、全研は!)

ですのでVIの制作者は、ユーザーファーストでの制作ができているか、成果をクライアントに提供できる戦略になっているのか、双方の視点を持ってサイト制作を行うことが重要になるのですが、ここが最も難しい部分でもあります。

例えば、本来は検索しているKWについて知識があまりないユーザーの流入を想定したサイトにも関わらず、業界内の専門用語を知っていて当たり前のように記事内で使用してしまうようなケースです。

何も補足説明がないため、ユーザーの頭の中は「?」でいっぱいになってしまうのですが、制作者は自分の知識レベルを基準に考えているため、そのことに気づきません。

納得できなかったり、共感できないサイトは、それだけでユーザーは離脱してしまいます。
クライアントにも成果を届けられず、制作者の自己満足するためだけのサイトができあがってしまう事態に…!

このようなことを防ぐため、VIでは下記のような品質管理のためのチェック体制を設けており、その一部をご紹介したいと思います!

VI制作の品質チェック体制

マッパーズミーティング(以下「MTG」)

サイトの設計図を弊社ではサイトマップと呼んでいます。
流入してくるユーザー像の具体化、クライアントの強みの抽出、ユーザーが必要とする基礎知識の解説、SEOのためのキーワード対策などをサイトマップに記載し、戦略のすべてを集約します。

中でも、クライアントの商品が競合他社と比較した際、ユーザーやターゲット市場にとって優位な立場を位置づける「ポジショニング」を行い、ユーザーが納得して選んでもらえる紹介の仕方になっているのか、という「訴求」と呼ばれる部分はサイト設計の生命線です。

ここを誤ると、どんなに素晴らしいデザインで、ユーザーのために役立つサイトであっても、クライアントに成果を届けられないサイトとなってしまいます。

サイトの心臓部分であるサイトマップですので、サイト内容に偏りはないか、制作者本人の主観で作っていないかをミーティング形式でチェックを行います(通称「 マッパーズMTG」)。

参加メンバーは下記。

・制作担当以外に制作メンバー3~4名
・CS部門(サイト公開後の運用を行う部門)から1~2名

制作担当者はMTG冒頭で戦略の説明を行い、参加者はあらゆる角度からサイトマップの適正化のための意見・指摘を行い、サイトマップのブラッシュアップを行います。

▼ マッパーズミーティングでの主なチェック項目

・想定ユーザーがズレていないか
・適切な市場を選出できているか
・適切なテーマを選択しているか
・適切なキーワードを選択しているか
・クライアントの強みを適切に表現できているか
・成果の出る訴求になっているか
・SEO対策されているか
・専門的なサイトになっているか
・市場を網羅しているか
・客観的な根拠を設けているか、などなど

MTGでは、ユーザーに響かない訴求になっている等の致命的な問題の場合は、参加者の了解を得られるまで何度も開催し、サイトマップの修正を繰り返していきます。

職域、職位など関係なく、ユーザー視点、クライアント視点で遠慮なく意見が出されていきますので、初めてMTGに参加する方は圧倒されるかと思います(笑)。
▲ 会議室に設置されている大型モニターで資料を見ながら参加メンバーが意見を出しあいます。

でも安心してください!
やり方は全てわかりやすくフロー化されていて、わからない点は、先輩が丁寧に教えてくれるのがVI制作の良いところ(笑)。

MTGを無事通過すると、サイトマップの戦略をクライアントにご説明し、了承を頂いたら、いよいよ本格的なサイト制作がスタートします!

テキストチェック

VIでは、制作者にはテキストチェックと呼ばれる試験のようなものがあります!

ギクッとした方、ご安心ください!
イメージした試験とは恐らく違います(笑)

テキストチェックとは、サイトマップの戦略に基づき、実際のサイトの形にまで編集を行った状態(デザインに文字原稿が反映された状態)で、本番さながらの状態で品質が担保できているかを第三者がチェックする取り組みのことです。

テキストチェックを卒業することで、初めて一人前の制作者として認められることになるため、制作者にとっての登竜門と言えます。

卒業判定は、すでに同試験を卒業しているメンバーがチェックを行い、卒業の可否をチェックリストに則り採点を実施。

▼ 卒業基準

10項目の判定を受けるための前提条件のクリア
26項目のチェック項目中、22項目以上が卒業ラインを満たすこと

※ただし、「重要8項目」で1つでも卒業ラインを満たしていなければ「卒業不可」となり、次の案件で再度卒業を目指すことになります。


▲ テキストチェック項目リストです!全部はお見せできないので冒頭だけ(笑)

未卒業者には必ずメンターが付き、サイト制作のイロハを教えていき卒業まで伴走しますが、早い人でも半年以上かかるので、なかなか長い道のりですね。
その分、卒業時の達成感は格別!メンターも感極まる瞬間(笑)。

卒業者は、採点結果を担当者にフィードバック(以下、FB)を行い、「なぜ合格要件を満たせなかったのか」を項目ごとにひとつひとつ解説をしていきます。

同じ課題を繰り返さないために、このFBにはメンターも同席し課題の共有が図られ、次回卒業できるよう課題克服のための改善案を提示します。

テキストチェックを卒業すると、メンターが外れ、卒業判定する側となり、基本的には自力でサイト制作を行っていくこととなり、一人前の制作者として扱われるようになります。

初めのうちは真っ赤な赤字ばかりFBを貰っていても、だんだんと課題が改善していくと、クオリティの高いサイトを制作できるスキルが身に付いてきます。

「今回はちょっと自信あり!」というスタンスで望んだ卒業判定でも「不可」が出ると、「ムキー!!」となります。少なくとも私はそうでした(笑)。

「何がいけなかったのか」を卒業者のFBで確認し、自分自身の苦手領域がはっきり分かるのがこの時期です。
克服すべきことが明確になると、卒業に向けてのモチベーションが一気に高まり、何が何でも卒業する強い意識が芽生えます。

後述しますが、このような状態から制作者は卒業に向けて、自主的に様々な取り組みを行うようになっていくのが、VI制作の大きな特徴です。

QCMTG

QCMTGはクオリティチェックMTGの略で、上記のテキストチェックを経て、一定の基準を満たしたサイトは、誰に向け、何を訴求するのかを制作者が説明し、本当にクライアントに送客できる訴求になっているのか、現場レベルの責任者がチェックを行います。

担当者本人、顧客担当者(CS)、制作担当者の上長、デザインディレクター、デザインディレクターの上長が参加。

テキストはもちろん、UI/UXのデザイン部分のチェックを行い、ユーザビリティが担保されているのかなどサイト全体のブラッシュアップを図ります。

訴求導線などクライアントに成果が届けられないと判断された場合は、ページ構成をゼロから作り直すこともあるため、完璧な状態でチェックを受けてもらえるよう入念な準備を行い、MTGに望むことになります。

レギュチェック

サイトに掲載されている情報が、景表法や医療広告ガイドラインなど関連法規から外れていないか、VIの制作レギュレーション(ルール)に違反していないか専門部署がチェックを行います。
掲載情報の根拠の確認などが行われ、情報の精度、確度を担保します。

ちなみにVIでは、制作以外の営業やCSでも関連法規に関する社内試験があります。
合格するまで下記の試験を受け続けることになっており、サイト制作に必要な法律の知識を全員が習得しているため、関連法規に詳しいことも他社にはない強みと言えるでしょう。

▼ 関連法規テスト

・景表法・著作権・肖像権・商標権
・宅建業法・不特法
・医療広告ガイドライン
・薬機法・健増法

以上が高品質のサイト制作を行う上での取り組みをご紹介しましたが、実はそれ以外にも様々な取り組みを行っており、サイトを公開するまでに、いくつもの品質チェックをクリアする必要があります。

▼ その他のチェック体制

・誤字脱字チェック
・デザインチェック
・コーディングチェック
・リンクチェック
・サイト構造チェック
・サイト評価制度
・検印制度

このように品質担保のためのチェックだけでも多数のスタッフが関わっているのがお分かりかと思います。

制作担当者は、多くのチェック工程での指摘を少なくするため制作スキルを向上させるための研鑽に励むことになります。

中でも制作スキルの向上において目指すべき指標のひとつがテキストチェックの卒業です。

サイトを公開できるレベルまで編集を行い、本当にリリースできる品質を担保できるているのか、導線設計、ライティング、UI/UX、コーディング、法規対応の5つの視点で、チェッカーと呼ばれるテキストチェック卒業者が総合的なチェックを行います。

このチェックで規定の合格ラインを越えると晴れて一人前の制作者として認定されるため、VIの制作者はまずはこのテキストチェック卒業を目指すことになります。

テキストチェック卒業のためには、メンターやチェッカーからのFBを活かし、同じ指摘を繰り返さないことが大事です。
しかし、何よりもユーザーが納得できる訴求導線を作れるかが重要であり、訴求導線の本質的な考え方が理解できていないと卒業は難しいです!
そのため、制作者は日々自己研鑽することが求められます。

ここでは、テキストチェック卒業に向けて、制作者が自主的に取り組んでいる活動についてご紹介します!

ディレクターの取り組み

由理リーダー

文章に関わる仕事がしたいと、2021年4月中途入社。
新人がWEB編集の基礎を学ぶ「新人島」で半年経験を積んだ後、新規事業の部署に異動。
3年目に入った今も、学ぶことがたくさんの刺激的な日々を送っています!

Q. 由理リーダーはテキストチェック卒業に向けてかなり努力されていますね

A. モチベーションは十分、どころか「卒業せねば」という使命感に燃えています!(笑)

サイト制作という仕事は、ただクライアントの商品が売れればいいわけではありません。
本当にその商品を必要としている人・それが届けば幸せになるだろうという人へ、正しい知識のもとおすすめすることが重要です。

メディアを通じて「ユーザーに幸せを、クライアントに成果を提供する」ことが、制作者としてのミッションだと考えています。

ただそれにはまず、自分の制作スキルを上げなくてはいけない。
その指標となる「テキストチェック卒業」は、今すぐにでも越えなければいけないラインだと捉えているのです。

文献や研修を通じてインプットすることはもちろん、より大切なのは「実際の案件から学ぶこと」だと思います。
たとえば私は、その日公開されたサイトを見たり、他の人が作成したサイトマップや原稿をチェックしたりしています。

サイトを見て「これは誰に何を売るサイトなのか」把握し、それに対してこのコンテンツはどんな役割を果たしているのか、どうしたらもっと良くなるかを考えています。

テクニックやノウハウを「知る」だけでは不十分です。
それがどうアウトプットされているのかを知って初めて「使える状態」になるのだと思っています。

また他の人の資料をチェックする際「なんとなく」引っかかる部分があるのですが、それを相手へ伝えるには「なにがどう腑に落ちないのか・もっと良くするにはどうすればいいのか」を言語化しなくてはいけません。

自分の案件だと感覚でやってしまっていることを、改めて振り返り言葉に起こすことで、知識を体系化できるので、これも貴重な学びの機会になっていると感じます。

Q. 自身の課題を知っているからこそ何を学ぶかも見えている、そういう印象がありますが、具体的にどのような課題感があるのでしょうか?

A. 色々足りていないのですが…特に「想定ユーザーを設定する」力が足りないと感じています。
最初に「だれに届けるか」を固めることが非常に重要ですが、私はここが弱いので、サイトコンセプトがブレたり成果が見込めないと指摘を受けたりすることが多々あります。

このため、ペルソナについて書かれた本を読んだり、先に挙げた通りサイトを見たりということを続けています。

またこれまで私は、自分に足りないスキルについて「編集力」「戦略立案力」などと、大枠で捉えてしまっていました。これは良くなかったと反省しています。

誤った・もしくは遠回りな努力をしてしまい、成長効率が低かった。
だから卒業に時間がかかってしまっているのだとようやく気づけたのです。

具体的にどの項目がどれだけできていなくて、補うにはどう研鑽を積めばいいのかを細分化しなければ、努力の方向を間違えてしまいます。
無駄とは言いませんが、最速での成長は見込めません。

自己判断で研鑽方法を決めるのではなく、 上司への相談が必須です。

課題抽出・克服のために1番重要なのは、上司とのすり合わせ。
進むべき方向が決まればあとはやるだけです!

Q. 由理リーダーの自己研鑽はテキストチェック卒業がゴールではないかと思います。制作者としての目標は何ですか?

A.「由理にお願いしたい」「この人に作ってほしい」と、社内外から指名されるディレクターになることです。

そのためには磨かなくてはいけないスキルが途方もなく多いですが、だからこそ「WEBディレクター」という仕事は面白いのだと思います。
これからも自分の成長を楽しんで、ますますスキルと品質を高めていきたいです!

未経験に優しい世話焼き集団

高品質のサイト制作を行うための組織として取り組み、制作者としての自己研鑽の一部をご紹介しましたが、いかがでしたでしょうか。

VI制作は覚えるべきこと、学ぶべきことがあまりにも多くて、「オエッ」と吐きたくなったかと思います。
私はそうでした(笑)

私はWEB未経験で入社しましたが、VIで使っている言葉からして意味不明でした。
「CSS、何それ?」「訴求?いやいや使わないでしょ、そんな言葉w」という有様でした(笑)。

でもまったく心配しないでいいのが、VI制作のいいところ!
先輩方の手厚すぎるフォローがあり、理解できるまで説明してくれる面倒見の良い人が一人や二人とかいうレベルではありません。

社員全体が世話焼きの人で構成されており、入社条件を「お人よし」かどうか判断しているのではないか?と思ってしまうほどの圧倒的な世話焼き集団、それがVI事業部です。

ちょっと盛りすぎじゃない?と感じるかと思いますが、まったく盛っていません。
このあたりは実際に働かないと実感できない部分かと思いますので、ほどほどにしておきますが、実は当たり前の現象なのだと今のこの瞬間気づきました!

業界を調べてくるユーザーに分かりやすく説明することが、制作のお仕事。
誰に対しても親切でいないとサイトは作れません。
誰に対しても親切であれ、という思考が会社の文化として根付いているんだと思います。

だからこそ、やり方は全てわかりやすくフロー化されていて、わからない点は、先輩が丁寧に教えてくれます。

誰でも最初は未経験。
そんな当たり前のことを忘れないVI制作にぜひ飛び込んでみて欲しいです!

以上、VI制作の松木でした。