こんにちは!PRマーケティング事業部の三原です。
前回、前々回と「英会話リンゲージのサイトを支える新人Webディレクター対談」と称して「森さん(Vol.1) 」「冨田さん(Vol.2)」を紹介してきましたが、今回はその第3弾。
今回のピックアップディレクターは、2016年卒の市川さんです。

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森さんや冨田さんとの対談中は、あまり多くを語らず聞き役になっていた市川さんでしたが、市川さん自身「Webディレクター」として今どんな思いを持っているのでしょうか。

今日のピックアップWEBディレクター 市川さん

市川さん顔写真 2016年に新卒入社したマルチスキルプレイヤー。入社後、結婚相談所サンマリエのサイト運用に携わり、ページ更新やデザイン、イラスト、テキスト作成、レポート作成など、幅広い業務に取り組んできました。

Webデザイナーとして新卒入社し、今春3年目に入った市川さん。2年間かけて現場で成長し、中堅メンバーとしてチームを支える存在です。これまでもデザイナーの仕事に加え、ディレクターとしてプロジェクトを担当する機会が何度かありました。あらためて今年の目標として「ディレクター業務のスキルアップ」を掲げています。

ちなみに、第一弾、第二弾の対談が盛り上がり、時間がなくなってしまったので、市川さんには後日改めてインタビューをさせてもらいました!

森さんや冨田さんの話に共感。もっと早くお話の機会を持てばよかった

–市川さんは今、どんな業務をしていますか?

市川:リンゲージのSNSアカウントのディレクションや運用をしています。
反応のいい投稿をもとに次の投稿内容を決めたり、投稿用の簡易的な動画や画像を制作したり、記事の執筆も行っています。
また、ページや紙面制作案件のメイン担当となって企画、原稿作成、デザイン指示をします。他の人から依頼をもらって私がデザインをすることもあります。

– デザインとディレクション、どちらも行っているんですね。Webディレクターとしてのスキルアップを今年度の目標にした理由は?

市川:やっぱりデザインやイラストを描くうえで、よりよく伝わる表現を追求したいとは昔から思っていまして。提案や企画する側を経験すべきだと考えたんです。
しかし、最初の頃は指示する側のディレクターが何をすべきか分かっていませんでした。
冨田さんがこの前の対談で話していたのですが、私もディレクターという立ち位置を勘違いしていて。わからないことがあっても、ディレクターは案件をまとめる人だから、周囲に聞いたら不安を与えてしまうと思って聞くのを遠慮していました。

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– なるほど。今はそのイメージが変わったんですか?

市川:はい。
森さん、冨田さんとの対談で「案件はディレクターがメンバーに相談をしながら進めていくべきものだ」ということや「リーダーというよりはまとめ役である」といったいくつかのお話を聞き、どれも頷いてしまいました。
ディレクターは”何でもできるリーダー”というわけではありません。
お二人との対談の時間は、私にとって良い刺激になりました!

– デザイナーとしての土台があるぶん、市川さんにとってディレクションは森さん、冨田さんとは違った見え方がするのかな?と思っていましたが、最初に悩んだポイントは同じだったのですね。

市川:そうですね。ディレクションという役割を自分の中に落とし込むのって、個人的には難易度が高かったです。

– 市川さんは幅広くマルチになんでもやっているイメージがあるので、そこもサクッとクリアするのかと思ってました。

市川:そんなに器用に見えるんですね。なんだか嬉しいです。でも、苦手なことも色々あって…。仕事なので、得意不得意をあまり意識しないようにしています。

– 良い心掛けだとは思います。でもちょっと市川さんの本音を聞いてみたいような…。

市川:そうですね~。例えば、ライティングとか…毎回丁寧なチェックをしないと自信をもって出せなくて。いつも試行錯誤しています。
あと、細かい作業で正確性を要求されるようなもの…数値入力の作業などは苦手です。

– そうなんですね。ライティングやデータ系は、とにかく場数を踏んで慣れるのみです。

市川:誰かに見てもらって初めて気付けることが多いので、周りの皆さんのフィードバックにいつも助けてもらっています。
あとは、いまだにスケジュール作成が得意ではないです。
「決めるのは私の役目」と思うと途端に悩んでしまって。
スケジュールを立てるときには、チームメンバーの他のタスク状況や確認をもらう上長の予定、発注側の担当者への最終確認など複数の人の都合が絡んできますよね。関係者全員の要望を叶えようと思ったら、上手くまとまらないこともあって。

– スケジューリングはディレクターならぜひスキルアップしたいですね。スケジュールはプロジェクトを進めるための大事な地図ですし。きっとこれからいくつものディレクションを経験して、コツがわかっていくと思いますよ。
さて、市川さんの得意なことについても知りたいです。例えばアイディアを聞くと、市川さんは他の人よりたくさんの案出しをしてくれますよね。秘訣などありますか。

市川:何かアイディアを考えるのは得意な方です。これにはTwitterが影響していると思います。私は今使っているアカウントが知人用とネット用のふたつあって。知人用の方は月に1~2回しか使いませんが、ネット用アカウントは頻繁に使います。タイムラインはゲームやエンタメ系に偏っていますが。
おもしろネタの収集や発信をしていく中で、情報感度やアイディア出しのスキルが高まったと思います。あとはRSSで情報を集めたりしています。

– さすがSNSアカウントのディレクションをしているだけあって、Twitterを有効活用しているんですね。

市川:最近はSNS発信でバズが起こることもありますから。楽しみながら情報収集をするのがコツだと思っています。

– 流行やユーザーの生の声を知ることができるツールでもありますしね。
さて、ディレクション業務が増えてきた市川さんですが、なにか市川さんなりの気付きってありますか?

市川:本業がデザイナーなので、その視点でのお話になってしまうのですが、ディレクションを経験する中で、イラストの重要性を再発見しました。
イラストが持っている情報伝達力はとても高いと思います。素材集からイラストを上手に探せることも大切ですが、労力をかけていくら良い素材を探したとしても、残念なことにそれは妥協案でしかありません。そのコンテンツのためだけに作られた素材ではないからです。
イメージ通りに伝えられる絵を自分で生み出せたらどんなにいいかと思います。だから、使い回されたイラストではなく、そのサイトオリジナルの絵が掲載されているコンテンツは価値が高いと思うんです。
今ディレクションの仕事をしているからこそ、もっとイラストのスキルをアップさせたいと強く感じます。

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– その考え方は、とてもいいと思います!
コンテンツの内容を伝わりやすくしたり、充実させたり、イラストには多くの役割があります。
イラストの表現を追求するディレクターというのも、ありだと思いますよ。

ディレクター皆が悩むデザイン指示。デザイナー経験がある場合と無い場合では、どちらが大変?

– ディレクターといえば、制作のための準備も重要な仕事。デザイナーの市川さんにとってディレクターのデザイン指示ってどんな感じなのでしょう?

市川:デザイナーなんだし簡単にできるだろうと思いきや、実はそうでもないです。
私の感覚では、元々デザイナーの経験が無いディレクターのほうが、細かいことを気にせずにパっと的確な指示が出せてしまうのかな?と思うんです。

– そう思った理由ってなんだったんでしょう?

市川:「こんなおおざっぱな指示を出したらデザイナーさんが困るのではないか?」とか、逆に「細かく指示してしまうと、その通りのものしか出来上がってこないのではないか?」と悩んでしまうんです。いつでもデザイナーさんと私の間で、認識のずれがないかを探っている感じです。
余白が広すぎるとか文字が詰まりすぎているとか、明らかにおかしいのは指摘できますが「もっと◯◯な雰囲気にしてほしい」といった私の好みの問題かもしれないときとか、細かいニュアンスの話になってくると、うまく伝わるかどうか心配になります。

– 市川さん自身がデザイナーだからこその悩みですね。自分が相手と同じイメージを共有できているか、ちゃんと確かめながら進めないと心配になってしまうのは同感です。
私はデザイナーさんがどんな人かわからないときは、自分で決めちゃったほうが楽なのでけっこう細かく指示を出してしまいますよ。
デザイナーさんが経験豊富で一緒に考えてくれる相手だと分かっている場合は、意見交換しながら進めます。

市川:なるほど。相手によって臨機応変に対応するのは重要ですね。

新卒時代からの成長

– ところで最近、市川さんはPRマーケの新人研修でExcelの指導をしてましたよね?入力作業が苦手と言っていましたが、関数などを進んで調べてくれていたのを覚えています。
「こんなやり方見つけました」と言って、効率のいい方法を提案してくれましたよね。

市川:Excelを使いこなせれば色々なことが早くできると気づき、どんどん気になって調べていたら…新卒の皆さんに教える側になっていました。
Excelは自分がやりたいことが実現できると気持ちがいいので好きです。ディレクターはExcelやスプレッドシートを使うことが多いので、このスキルが役に立っています。

– 今やPRマーケ内では、「市川さん=Excelが得意なデザイナー」というキャラクターになっているくらいですよね。ディレクションにも役立つ素晴らしい武器だと思いますよ。
デザイナー志望の方の中には大学でExcelを習っていない人も多いですよね。僕もそうでした。

市川:たしかに、私も学校では教わらなかったです。新卒時代にExcelの重要性に気付いて勉強してよかったです。

– 新卒時代というと、僕と一緒にサンマリエ関連のメディアを担当していた頃ですね。
当時と比べて業務スピードも上がってかなりスキルアップしたのではありませんか?
早川主任(先輩ディレクター)も市川さんは仕事が早くてTODO漏れが無いと言っていましたよ。

市川:三原さんにも色々と指導してもらって、現場での立ち回りが上手になりました。各案件ごとに必要なタスクを追いかけるのも慣れてきたと思います。
あと、自分のひとつ後輩にあたる17卒の皆さんが入社し、共同プロジェクトで関わる機会がありました。そのとき、部署をまたいだ報連相がすごく徹底されていることに感心して、影響を受けましたね。
報連相をしっかりやれば案件が早く進むのだと実感しています。

– 先輩からも後輩からも刺激をうけて、報連相がスキルアップしたんですね。

お仕事紹介

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▲自分がデザインを依頼される側も経験しているので、どういう指示をすれば伝わるか常に試行錯誤を繰り返します。

お仕事紹介SNS運用
▲過去の実績の裏付けに基づいて投稿内容を改善しながら運用を続けています。

お仕事紹介_イラスト
▲案件で必要なイラスト制作を行うことも。プライベートでもイラストを描いています。

次のステージにあがることを決断した市川さん

– そのほか3年目の今、変化を感じます?

市川:はい。入社からこれまでの間に現場経験をたくさんさせていただきました。今年で3年目。「決断するのは自分」という覚悟が出来ています。
そのうえでディレクターとしての成長を目標にしました。
私は本来「自分の手を動かして作ること」が好きなので、これからもデザインやイラスト業務にも取り組んでいきますが、よりよい制作物を生み出すためにもディレクターのスキルと視点が必要だと思います。
しかし、今まで100点のディレクションをできていたかというと、そうではありません。

私は「自分が決める」ことが得意ではないのですが、それは今までの仕事の仕方が影響していると思います。
自分で仮説をもたずにラフやデザインを作ったあと、上長や先輩に「これでどうですか?」「入れたいことはありますか?」とすべてゆだねていました。
それでいただいた指示を反映したり、修正に対応したりを繰り返す中で、自分で考えることを放棄していたのです。
指示を聞かないと動けないうちは、ディレクターとしての仕事をやりとげられないと思います。
勉強や調査でインプットを増やして、自分で考えて「決めた状態」をつくってから相談するべきです。いつまでも他の人に寄りかかっていては駄目なんです。だから、自分の決断に責任を持って仕事に向き合っていきます。

– デザイナーとして、そしてディレクターとして、足りないところを見つけて、プロジェクトをリードする側に立とうとしているんですね。その決断によって、きっと市川さんはこれからたくさんの山を越えて、さらに成長していくと思いますよ。

市川:はい。必ず目標を達成します。
三原さんはどうやって「決断」していますか?

– 僕は本来、感覚型の人間です。頭にぱっと浮かんだ内容で決断し、理由を後付けしていくタイプです。市川さんと僕は似ているところがあるかもしれません。
スケジュールなんかも、かつては「このくらいでいいだろう」となんとなく雰囲気で作って失敗することが多かったんです。
そこで今は、スケジュール切りや目標設定の際に自分の感覚に頼らないようにして、なんらかのフォーマットにあてはめて決めることにしています。

市川:私も0の状態からのスタートとなると、とりあえず感覚で作りはじめたり、上長やメンバーから聞いた一言をそのまま採用したりしていました。
でも、自分で舵取りをして進めるには、根拠となる裏付けのデータが必要です。今はそれを導き出すスキルを育てるために、早川主任にもご指導いただきながら、まさに勉強中のところです。

– 判断力=材料を探す力です。
Webディレクターに求められるのは判断できるものを探し当てることだと思います。
そうすれば決断ができますし、裏付けがあると、周囲へ説明する際も説得力が出てきますよね!

市川:はい。冷静に分析して状況判断を行い、プロジェクトをけん引していけるように、これからも頑張ります。
そして、ディレクションもできるWebデザイナーを目指してもっと勉強します!三原さん、今日は有難うございました。

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対談を終えて

市川さんは、この対談を行うにあたり、きっと新卒の頃からの出来事を色々と思い出したのではないでしょうか。
森さんや冨田さんとの対談で今のご自分とリンクする話もあったのでしょう。私との対談が進んでいく中で、市川さんのスイッチがだんだんと入ってくるのを感じました。
実はアツいパッションの持ち主である市川さん。これからも私は全力で応援していこうと思います。

さて、これまでに3名の新人Webディレクターの方々を紹介してきました。
悩んでいること、今現在のやり方などそれぞれですが、共通して言えるのが「もがいてでも案件を成功させよう!」という気持ちが見えたことです。真剣に向き合っているからこそ、悩みも多く出てくるのでしょう。

Webディレクターに関する本を読めば、スケジュール管理能力、制作知識などいろいろなことが必要だと書かれています。
たしかに、ディレクションにはどれも必要です。しかし、この対談シリーズを通して、ディレクションに決まった形は無く、ディレクターの仕事はそのときのプロジェクトによって様々なのだと感じていただけたことと思います。

そうすると、ディレクターにとって一番大事なのは「方向性を指し示し、そこに向かって走って行ける熱量を持ち続けること」なのかもしれないですね。

三者三様でエピソードは異なりましたが、どの方からも熱量は強く感じました。

Webディレクターになりたいと考えている皆さんへ

最後に私から、Webディレクターを目指している方、興味があるという方に伝えたいことがあります。

Webディレクターになるためのレールは1つではありません。ディレクターの数だけ道があり、いろいろなタイプのディレクターがいます。

毎年、入社したばかりの人と話をしていると「どんなディレクターになろうかと悩んでいる」という声を耳にすることが度々あります。

どんなWebディレクターを目指すべきか。大切なことに思えますが、最初のタイミングで考えても、おそらく答えは出ないと思います。
Webディレクターは、目的ではなくて、手段だからです。

今、あなたの目の前には、ご自分ではっきり認識できる課題がありますか?どんなことでも構いませんよ。
遠すぎない距離にはっきり見えている山の頂上をイメージしてください。
まずはその山を超えることに集中してみてはいかがでしょうか。それがゆくゆくは自分の土台を作り、これからのスキルに変わっていくはずです。

以上、PRマーケティング事業部三原でした!