こんにちは!コミュニケーションプロダクツ事業部の南です。
私はSEOプランナー業務と兼任して、CGMアナリストとしてCGMの研究を行っています。

デマにご用心!SNSにおけるフェイクニュースとGoogle品質評価ガイドラインについて_01

CGMというのはSNSやブログ、Q&Aサイトなどの一般ユーザー投稿型のメディアのことで、SEO業務を行う上でも無視できないものです。

例えば特定のページがSNSで拡散された結果、(多角的に影響しSEOスコアが高まることで)Googleでの順位が上がることがありますし、キーワードに隠れた検索ニーズを、Q&Aサイトから発見することもあります。
他にも「SNSの情勢をGoogleが参考にしたのでは?」と思わせるようなGoogleのアップデートが行われたことも。

実はこれ、「SNSの情勢に影響するほど世間が動いているため、Googleのアルゴリズムも極力リアルタイムにアップデートされている」に過ぎないのです。やはりSNSの情報網スピードはズバ抜けて速いですね。

今回は、そういったことが顕著に表れた例を交えながら、SEOの変化についてお話していきます。

政治に利用されるSNS

国内のニュースでとりあげられたSNSの利用事例をいくつか紹介します。

2016年11月、アメリカでは大統領選挙が行われ、ドナルド・トランプ氏が当選しました。
しかしその選挙の影ではロシア等による選挙妨害が行われており、SNSで特定の候補者に対するフェイクニュース、つまり嘘のニュースや、誹謗中傷が大量に拡散されたのだそうです。

この件は通称「ロシアゲート」と呼ばれ、FacebookやTwitter、YouTubeなどのメディア責任者が、米上院司法委員会の公聴会に出席し、証言する事態になりました。

さらに2018年3月に、「イギリスの選挙コンサルティング会社はFacebookの個人情報を不当に入手し、選挙コンサルに利用していた」 という情報がリークされました。利用された個人情報は、Facebookで性格診断ができるアプリを使って収集された情報です。
このブログをご覧の皆様も、SNSと連携した性格診断サービスを利用したことがあるのではないでしょうか?

デマにご用心!SNSにおけるフェイクニュースとGoogle品質評価ガイドラインについて_02

日本人にもSNSやSNS連携サービスはすでになじみ深いものです。
同じようなことがまた起こらないとも言えません。診断サービスを利用する前や、リツイート、いいねボタンを押す前に、内容をよく確認することをおすすめします。

SNSがメディアとして扱われ、責任が求められていく

このように、SNS普及の流れに合わせて、世界中でフェイクニュースやヘイトスピーチが問題になっています。

例えば、スリランカやミャンマーではFacebookのフェイクニュースが原因で大きな暴動が発生し、問題になりました。
それに関連して2018年3月、国連はSNSでのヘイトスピーチの氾濫について言及し、Facebookを名指しで批判しています。

同7月、エジプト議会はフォロワー数が5,000人以上のSNSのアカウントを「メディア」として扱い、当局がフェイクニュースを投稿していると判断した場合、発信者を拘束できる法律を可決しました。

エジプトは不当な検問が問題になっているため他国とは事情が異なりますが、国家や国連がSNSの影響力をメディアと同等に扱っているという点では気になるニュースです。

Googleの品質評価ガイドラインにフェイクニュースの項目が追加

2018年7月にGoogleの品質評価ガイドラインがアップデートされ、検索結果の品質「Page Quality」について説明が強化されていました。

デマにご用心!SNSにおけるフェイクニュースとGoogle品質評価ガイドラインについて_03
▲実際に発表された内容

その中にフェイクニュースに関しての項目があります。
フェイクニュース、ヘイトスピーチ、陰謀論など悪意のある情報や一般常識から大きく逸脱したコンテンツは、Googleが低評価と見なす、という内容です。
アップデートの時期を考慮すると、項目の追加にはSNSの影響もあると考えられます。

以前のGoogleでは、コンテンツの真偽に関わらず、需要があるページは上位表示されていました。そのため、需要さえあれば真偽があいまいなページも上位に上がってしまっていたのです。

例えば特定の選挙候補者を応援する人にとっては、対抗馬のスキャンダルは多少嘘くさくても信じたくなるものですし、宇宙人を信じる人にはUFO出現ニュースは重要な話です。切実な難病を抱える方にとっては、例え怪しい治療法でも、藁にも縋る思いで読んでしまうことだってあります。

そのような需要に対応した結果、低品質なサイトが上位表示されていたので、ガイドラインがアップデートされたのです。
品質を追求するうえでフェイクニュースを排除する流れになったのは、当然の流れと言えるでしょう。

流動的な一般常識を追いかけてゆく

日本でも健康・医療関係のデマサイトが問題になり、Googleが対応したことがありました。ニーズがあっても間違った情報は表示しない、というGoogleの方針が伝わってきます。

個人的な意見ですが、Googleの対応は真偽の基準を「一般常識」に求めている所が面白いと思います。

一般常識は、案外コロコロ変わるものです。
大昔は地球の周りを太陽が回る天動説が一般常識でしたが、地球は丸く、太陽の周りをまわる惑星の一つでしかないという地動説が登場しました。
鎌倉幕府の成立も1192年から1185年に変更されています。
時代と共に常識が変わっていくことを考えると、情報の早いWebが一般常識を追いかけて発信するのは正しい姿です。

我々SEOに携わる者も、時代に合わせて求められること、正しいことを追求していかなければなりません。
SEOは常に情報収集が必要な業種ですが、だからこそ面白いです。
私もまだまだ勉強中ですので、これからも知識をつけていきます!

以上、コミュニケーションプロダクツ事業部の南でした。