こんにちは。VOiCE事業の責任者を務めております、福田です。

今回の記事では、先日とある二つのチームで実施した「社内交換留学」の取り組みについてご紹介します。

「社内交換留学」とは、異なる事業部間の社員が1週間だけ相互に異動し、異動先の業務を行い、異動先の成果にコミットする取り組みのことです。

・・・と、当たり前のように説明をしていますが、実は、Zenken株式会社では今までやったことのない初めての取り組み。今回、そんなチャレンジングな取り組みの第一人者に選ばれたお二人にインタビューを行いました。

「社内交換留学」の取り組みの背景

現在、Zenken株式会社では「Junior Borad(以下JB)※」という研修を行っており、今回の「交換留学」はその研修の中で生まれたアイディア。

目的は、すべての顧客満足度を最大化すること。その手段として社内のアセットを最大限有効活用するために、事業部間の連携を図りましょう、と。

とはいっても、目の前の事業の成長に向けて日々全力を尽くす社員が多いZenkenでは、他の事業部との連携は中々機能させることができずにいる。
ここに課題があるのではないかとJBメンバーで協議をしておりました。
※Junior Boardとは、若手・中堅社員で構成される疑似役員会を開き、様々な経営課題に対する解決策を議論・実施する研修制度のこと

そこで、そもそも「その事業にコミットする人」の存在そのものが必要なのではないか?だとしたら、相互に「コミットする人」を交換した方が、結果が出るのではないか?と。

幸か不幸か、JBでこの議論をしていたのが、Zenkenの中でも新規事業であるYaaayの責任者・田中部長と、VOiCEの責任者の私。思いついたらすぐにやってしまえ!精神の二人が暴走し、ありとあらゆる承認フローをかっ飛ばし、取り組みはスタートされました。

関係各所の皆様には、多大なるご迷惑をおかけしました。この場を借りてお詫び申し上げます。

社内交換留学の選手紹介

山上リーダー(ダイバーシティ事業部所属)

・事業部:ダイバーシティ事業部(以下:DS)「Yaaay」
・職種 :営業
・入社年度:2019年中途入社
・留学先:ヒューマンキャピタル事業部「VOiCE」

Q.留学先のサービス「VOiCE」について教えてください!
VOiCEとは現職社員の声だけを集めた口コミサイト。VOiCEはZenkenの強みを凝縮した、Zenkenでしかできないサービスです!私自身、転職するときに現場の方の話を聞きたいと思い何名かとお話しさせてもらったのを覚えているため、VOiCEのように現場のリアルな声が載っているサイトがあったら見たくなるなと感じました。組織課題の分析や組織開発・改善、インナーブランディングなど、切り口によっては別の提供価値があり、これからもっと成長してサービスの改良もされていくのだろうととても楽しみなサービスです!

Q.交換留学に選ばれた時の心境は?
1週間で成果を出さないと!とかなり身が引き締まりました。普段と異なる商材を扱えることに楽しみな気持ちもありましたが、とはいえVOiCEチームからするといきなり知らない人が入ってくるわけなので、数字として成果につなげないと意味をなさなくなってしまうと思いました。交換留学自体が新しい取り組みのため、たくさん行動に移してみることで交換留学自体の効果検証をしてみたいと思いました。

優夏さん(ヒューマンキャピタル事業部所属)

・事業部:ヒューマンキャピタル事業部(以下:HC)「VOiCE」
・職種 :営業
・入社年度:2020年新卒入社
・留学先:ダイバーシティ事業部「Yaaay」

Q.留学先のサービス「Yaaay」について教えてください!
Yaaayとは、海外エンジニア人材とのマッチングができる採用プラットフォームです。2030年までにITエンジニアの人口が約70万人不足するといわれている中で今後も日本人のエンジニアを採用し続けるためには、かなり厳しい競争下にあると思います。対してYaaayの中で一番登録が多いインドでは、優秀なエンジニアがいても採用する企業の数が足りないという状況です。エンジニア不足の日本企業と自国で働き口がないインド人をマッチさせることで双方にとっていいことしかないというのは誰もが理解できると思います。そして、社内の日本人同士での交換留学でもこれだけの気づきと学び、イノベーションがあったんです。日本企業に外国籍の方が入社されることで起こる素敵なイノベーションは計り知れません!

Q.交換留学に選ばれた時の心境は?
とてもびっくりしましたが、「Yaaayは面白そうな事業だなあ」とはずっと思っていたので、そこで働けることが楽しみでした。また私もいまVOiCEという新規事業に携わっているため、社内のほかの新規事業部署が、どのようにスケールさせるために日々活動をされているのかも知りたかったので、とても学びになる機会だと思っていました。

交換留学を終えて、率直に、どうでしたか?

Q.「事業」や「組織」という観点で、得られたものはありましたか?

“ふだんかかわりのない他の事業部の仕事を「自分ゴト化」できた”

■山上
他の事業部やチームの商材や取り組みを具体的に知ることによって、機会創出は間違いなくできると感じました。ほかチームの商材を”知る”だけでなく自ら”提案する”体験を通して、どのような企業様へご提案の機会を創出できるか、イメージがわきやすくなったと思います。同じ営業でも振り返りの仕方が異なり、このPDCAのサイクルを自チームでもやってみる、など参考にすることができました。

■優夏
学びになることは本当に沢山ありました。DS事業部では頭を柔らかくしていろんな手段を講じながら、可能性のあるやり方を徹底的に模索しているところを学ばせていただきました。手紙やチラシの作成にはじまり、飛び込みでそれを配りに行くこと。また送付する手紙やメールひとつとっても、社員の顔写真を入れてなるべく目を引くように工夫されていたり。他にも考え付いたことのない色んな方法で、新規開拓をされていてびっくりしましたし、まだまだVOiCEでもやりようがあるなと感じましたね。前例がないものでも積極的に取り組み、自分たちで新しい手段を生み出すという0→1の考え方がいち早く真似したいと思ったことです。

Q.お二人の「個人」として、得られたものは?

“初心にかえる、良いきっかけに。”

■山上
とても基本的なことかもしれませんが、先入観を捨てて、とにかく行動に移して仮説検証することが大事だなと思いました。新しい環境に身を置いたからこそ、初心に立ち返って仮説検証を細かく行いましたが、常日頃からやるべきだなと気づかされることが多くありました。

■優夏
昔から「すぐに決めつけて思考を止めてしまう」悪い癖があります。今回、留学先の上司で、以前の直属の上司でもある谷口シニアマネージャーからもご指摘をいただきました。いまVOiCEチームでも日々成果を上げるために試行錯誤を続けているのですが、この私の癖のせいでスピード感を下げてしまっているのではないかという反省をしました。「○○は厳しい」「○○は駄目だった」と言う前に、従来のやり方や過去の成功例に固執する前に、「本当にほかの手段はないのか?」を考える。Yaaayチームで行っている手段も、考え付かなかったのではなく、考えようとしてなかっただけだということを、今回の留学を機に気づかされました。

留学生の受け入れ先となった関係者にもヒアリングしました

Q.留学生を受け入れてみて、良かったことはありましたか?

kosaka
■Yaaay営業責任者・谷口
優夏さんがDS事業部にきて、変わらない彼女の明るさに周りに刺激と笑顔を与えていました。交換留学は本当にやってよかったと思います。目標数字もコミットしてくれましたし、成果という面でもそうですが、両事業部の探客手法の違いなどで驚きと学ぶことも多かったそうで、早速持ち帰ると言っていました。商材理解もできたので、今後Yaaay⇔VOiCEのアップセルも加速していくんじゃないかと思います。

kosaka
■VOiCEパートナーセールス責任者・楢原
山上リーダーが留学に来られて、チームに勢いが付きました!!VOiCEのチーム内で積極的にロープレを開催してくださったり、YaaayでのノウハウやVOiCEチームに来てから気づいたことなどの情報を共有したりしてくださり、自分も負けていられない!と勇気づけられました。それから、積極的に他の人の良いところを発信してくれるところを見て、もっとメンバーと関わったり、良い面を見つけたりしたいなと思いました!

「社内交換留学」という“取り組み”について

Q.会社として、今後もこの取り組みは続けた方が良いと思いますか?

■優夏
はい、もちろん。同じ会社なのに、Yaaayのサービス内容やチームとしての取り組みなど知らないことが多かったなという気づきがめちゃくちゃ多かったです。社内交換留学という機会を今後増やしていくことで、仕事のノウハウ含め顧客の紹介による営業機会獲得の効率化など、ポジティブな可能性があると思います。

“たくさんの提案機会を逃してきたんだろうな…と”

■優夏
実際に戻ってきた今、打ち合わせをするお客さんの話を聞く中でYaaayも絶対導入したほうが良いと思い、すぐにつなぐこともできました。今までたくさんの提案機会を逃してきたんだろな…と感じましたし、逆に、もっと多くの人に交換留学による他事業部への理解が広まればパスのし合いが盛んになり、顧客満足も売上もどんどん上げられる組織になると思っています。

■山上
営業であれば、他事業部やチームで商材理解を深めることにより、アップセルやクロスセルの機会創出につながるのは間違いないですね。また、他チームで行っているナレッジやノウハウを吸収することにより、自チームでもやってみようという新たなアクションにつながり、活性化すると思います。受け入れ側からすると、第三者から気づきを与えてもらえる機会になると思うので、積極的にコミュニケーションをとれると、より良くなると思います。

■優夏
たしかに、今までかかわったことがなかった方々との繋がりができると、今後気軽に情報共有をできる関係性になれると感じました!また、コミュニケーションをとっていくなかで、自分がいる事業部の状況やサービスのことを客観的に見ることもでき、改めて良いところ悪いところに気づけることも大きいなと。第二の視点を持てるようになるというか。

Q.次回があるなら、どうすればもっと良い取り組みになると思いますか?

■優夏
特にはないですが、しいて言うならば留学期間を延ばすことでしょうか。アポ取得だけではなくて組織の動き・方向性など、アポ取得以外でも知りに行きたかったです。

■山上
私自身の反省でもありますが、留学生本人がもっとアウトプットする機会を意識的に増やすか、もしくは仕組みを作ってアウトプットしてもらうようにできたらいいなと考えました。留学生自身が気づきや意見を発信するいい機会になりますし、初めての環境で受け身ではなく積極的になれるといいと思いました。アウトプットやコミュニケーションが活発になれば受け入れ側のメリットもより大きくなるのではと思います。

…この企画を裏から回していた「フィクサー」に聞く、交換留学の醍醐味とは

kosaka

<田中>
・ダイバーシティ事業部 部長
・Yaaay事業責任者
・2017年中途入社

交換留学の目的は、顧客に対するZenkenとしての提供価値の最大化、もう少しわかりやすく営業目線で言い換えるとアップセルをすることです。

いま、当社では多種多様な事業・サービスを展開しています。それらのサービスを通して、顧客の課題解決のお手伝いをもっと幅広く、深く行っていくことができると信じています。それぞれの事業の顧客に別のサービスをご提案するということは、簡単そうで意外と難しいです。この交換留学という取り組みをきっかけに自分の所属している事業部以外のサービスを知り、顧客満足最大化のために提案するという流れを作れればいいなと思っています。

今回、この初めての取り組みで見事に成果を出してくれた二人は、この取り組みを成功にしてくれました。本当に感謝しかありません。
今後は、単発的な取り組みではなく、仕組み化することでより多くの顧客の課題解決をできる最強のコンサル集団になると期待しています。

さいごに

さいごに結果を申し上げますと、この取り組みからなんと、Yaaay・VOiCEともに売上があがりました!(パチパチ)

突然の配置換えと無理難題なミッションを突きつけられたにも関わらず、山上リーダー・優夏さんは1秒もためらうことなく「はい」と言い、留学先のメンバーに刺激を与え、そして結果も出す。
本当に素晴らしいです。

留学生が留学先に与える刺激、留学生本人が得られる学びや初心、事業部間のナレッジ・ノウハウ共有などなど、目の前の結果だけではないところにも、沢山の価値がある交換留学。

今後も継続していきたいと思っています・・・が、まだ、正式に承認を得られていませんでした、

このブログの最終査読者は人材戦略統括本部の責任者。
つまり、交換留学制度の決裁を行う人。もし、このブログが公開されていれば、正式に承認されたということになります!

今後もJBの取り組みを通して、様々なチャレンジを行ってまいります。
(その度に、ブログを通じて間接的に承認・決裁を取りに行きます。)

こうご期待!