こんにちは、バリューイノベーション事業部制作(以下VI制作)のSです。

今回は、VI制作エリアポータル課(以下AP課)で新進気鋭の活躍を見せる遠藤さんにインタビューしました。
「全研でダイバーシティ&インクルージョン(以下D&I)を推進する」というビジョンを持つ遠藤さん。その背景にある想いをうかがいました。

目次

・D&Iとは、すべての人を生きやすくするためのツール
・「ウィッグをつけて仕事したい」という相談に上司が提示した選択肢
・遠藤さんが見つけた全研の「働きやすさ」の本質

D&Iとは、すべての人を生きやすくするためのツール

━━遠藤さんが推進したいという「D&I」とは、一体どういった考え方なのでしょうか?

直訳すると、「ダイバーシティ(多様性)」と「インクルージョン(受け入れ)」という意味を持つ言葉です。個人の特性や価値観、社会的差異を認めるだけでなく、組織として相乗効果が発揮されるように活かすことを意味します。

━━「ダイバーシティ」はよく耳にしますが、「インクルージョン」とは具体的にどのようなものでしょうか?

そうですね、ダイバーシティというのは、人種、宗教、性別、価値観などが「一人ひとり違う」ということを意味します。ただ「違いがある」だけでは、異なる者同士の衝突や対立が生じかねません。
インクルージョンとは、その多様性を「包括すること」を指します。誰一人として組織から取り残されないよう、個人にあったサポートやシステムを整え、多様性を強みに変える考え方です。
例えるならば、「ダイバーシティ」はトマトやほうれん草や人参など、色んな野菜が散らばっている状態で、「インクルージョン」はその野菜がそれぞれの旨みを生かしたサラダだと思ってもらえれば、なんとなく伝わりますでしょうか?

━━なるほど!最近よく耳にする、SDGsの「誰一人取り残さない」取り組みとも似ている気がします。D&IとSDGsはどのような違いがあるのでしょうか?

確かに、D&Iの考え方は、SDGsの基本理念と通じるところがあります。ただ、私の感覚なんですけど、SDGsって”分かりやすい差異”に着目したものが多い印象を受けるんです。
例えば女性雇用や外国人材の採用。これからの時代においてはすごく大事なことですし、優先的に取り組む必要があるのも理解しています。ですが、取り繕うこともできてしまう。

一方D&Iって、SDGsが目指す要素も含みながら、属性、個人の価値観や嗜好、経験、社会的ヒエラルキーなどに関わらず、すべての人を生きやすくするためのツールだと考えています。要は、表面的には見えない違いまで受け入れて活かすことで、構造的な障壁が取り除かれ、心理的な安全性が確保される。結果的に、一人ひとりが生きやすい、働きやすい社会が実現する、というわけです。
一見「普通」に見える「普通じゃない」⼈を取りこぼさない取り組みがD&Iで、全研ならもっとD&Iを推進できるんじゃないかと思っているんです。


▲淡々と喋りながらも情熱をのぞかせる遠藤さん

「ウィッグをつけて仕事したい」相談に上司が提示した選択肢

━━確かに、明るみに出ない“違い”って誰にでもある気がします。遠藤さんが「全研ならD&Iを推進できる」と考えたきっかけは何ですか?

私の個人的な経験がありました。
今私、脱毛症でフルウィッグを着けてるんですけど、入社当初は付けてなかったんです。治りかけの頃だったので。
でも、入社半年後くらいに再発して。そのまま生活するのちょっとアレやな…と思って、最初は休日だけウィッグを着けるようにしたんです。けどやっぱり職場でも着けたいな、と思うようになって。
とはいえ、いきなり着けたらみんなビックリするだろうし、どう相談しようか、相談するにしても、どこまで周知すればいいのか考えていました。

当時の上長にとりあえず言ってみたんです。「ウィッグつけて仕事したいんですけど、どうしたらいいですかね」と。
すると次の日には、私が所属する制作部の責任者である黒田次長にまで話が通っていて、どうしたら私が神経を擦り減らさずに働けるか、心理的に安心して働けるかを一緒に考えてくれたんです。

私は制作内の関係部署にだけ周知できればいいかな?と思ってたんですが、黒田次長からは「あえてみんなの前で発表してしまうのはどう?」と提案されました。

━━それで事業部の全体朝礼で黒田次長から公表されるに至ったんですね。あれはめちゃくちゃかっこいい選択だなって思いました。

ご提案いただいた時はすごくびっくりしました。 「なんでわざわざ?絶対嫌やわ」って思って(笑)。
でも、ワンフロアの同じ場所で営業さんもCSさんも働いてる以上、他部門の方とも色んなタイミングで関わることになります。

周知しない=隠したい=「触れてほしくないんだ」と周囲に認識され、私自身が腫れ物に触られるような感覚になる。それにより、逆に肩身が狭い思いをする懸念もありました。

一方、全体に周知することで、いい意味で割り切れるようになり、のびのび仕事ができるようになるかもしれない。それがある意味、私自身のブランディングにもなるかもしれない。
私の意志を尊重した上で、色んな可能性を考慮し、最善の選択肢を考えてくれました。
私、結構感動したんです。当時まだアルバイトだったんですけど、こんな駆け出しのアルバイトのために色々考えてくれるの、ほんま有難いなぁと思って。

結果、事業部全体で行う月に一度の月初朝礼の場で、私のウィッグ着用について黒田次長からお話してもらいました。
この選択は大正解だったなと今すごく感じます。 「みんな知ってる」というのは、中途半端に隠すより逆に安心ですし、制作以外の方にも知ってもらえたことで私自身も穏やかな気持ちで働けています。


▲ 当時を振り返る遠藤さん

遠藤さんが見つけた全研の「働きやすさ」の本質

━━その経験が、遠藤さんに「全研ならD&Iを推進できる」と確信させているのですね。

一連の経験から、「あ~全研って福利厚生とかやりがいとか制度とか、そういう目に見えるところだけじゃない働きやすさがあるな」と感じたんです。どんな事情があっても個々人の心理的安全性を絶対に確保してくれる点といいますか。
色々考えた結果、メリットの方が大きいと判断したので公表しました。でも、これはあくまで私の場合の話でしかなく、どうするかはもちろん自由です。センシティブなことなら、なおさら。

仮に公表しないことを選んだとしても、上司は私の意見を尊重し、その後働くにあたっての最善策を一緒に考えてくれたと思います。 目の前の「自分ではどうしようもないかも」と思っていたことの解決策がちゃんと提示され、どれを選んでも大丈夫だと思える状況には、ものすごい安心感がありました。

私が考えるD&Iってまさにこういうことです。多様性のある社員がいることを認識しているだけじゃなくて、個々人の差異を尊重し、働きやすい環境を一緒につくりあげること。
D&I=ダイバーシティ(多様性)&インクルージョン(包括)の神髄は、こういった企業の社員との向き合い方にあるんじゃないかなって。

数百人規模の会社で、それぞれの個性に向き合うのは骨の折れることだと思うんです。でも多様性をより重視する今後の時代では、D&Iの考え方は絶対に必要ですし、全研はすでにその風土としての土台が整っていると思っています。

━━とても素敵なエピソードですね。今後、全研でD&Iを推進することで、どんな未来を実現したいですか?

D&Iは根本的には、仕事を楽しくするためのツールだと思っています。
もちろん成長ややりがいも大切ですが、根本的には仕事は楽しくなきゃって思いがあります。仕事を楽しくする要素って色々あると思うんですが、私にとって大切なのは「人間関係」「帰属意識」「役に立っているという感覚」の3つで、これさえ満たせれば幸せなんです。
D&Iで楽しさを実現することで、VI制作を率いる黒田次長が目指す「日本で一番働きたいと思える会社」に近づくんじゃないかと信じています。


▲ 自席でミーティング中の遠藤さん

━━今後、D&I推進のためにどんなことに取り組まれる予定ですか?

D&Iに関係するサイトづくりや、誰でもD&Iを勉強できるコミュニティを作りたいと思っています。
ダイバーシティを推進したい企業向けに研修を行ったり、イベントのスポンサーなんかもできればなと。
ゆくゆくは、全研のD&Iの取り組み状況を公式HPに載せて、社外や株主の方にも評価してもらえるように整えたいですね。

━━今後の遠藤さんの活躍に期待しています。ありがとうございました!

ブロガーから最後にひとこと

この記事は、2022年9月時点のインタビューを基に作成しています。
同年10月より、遠藤さんはD&Iに特化した専門メディアの制作をスタート!

Z世代を中心とした若い人に向け、まだまだ浸透しきっていないD&Iの考え方や、D&Iを推進する企業の取り組みなどを伝えることで「働きやすさ」を追求していくポータルサイトです。

「D&Iを推進したい」という想いを着実に具現化している遠藤さん。その取り組みから目が離せません!