はじめまして、HRインキュベーション事業本部SSW事業部の内田です。

この度は、SSW事業部として新たなスタートを切った経緯や業務内容について、お話しいたします。

私の経歴とSSW事業部の簡単なご紹介

まずは私の経歴について簡潔に紹介します。

私は2020年4月にZenkenに中途入社しました。
以前は人材系企業にてジャカルタに駐在していました。
前職では、拠点の立上げや、アジア諸国の現地教育機関・企業との提携業務、現法社員の指導等に携わっていました。

Zenken入社後は、新規事業として海外介護人材事業を開始。
2022年7月から事業を開始していましたが、事業を本格化するため、2023年10月からはSSW事業部として新たに動き出しました。

SSWという事業部名は、Specified Skilled Workerの略称から取られています。
Specified Skilled Workerは、外国籍の方が日本で就労する上で必要な在留資格の一つの名称で「特定技能」のことを指します。

2019年に創設された「特定技能」は、日本国内で人手不足とされる12の分野において、一定の専門性や技能を持った方が得ることができる在留資格です。
制度開始から右肩上がりで人数が増えている就労ビザです。

▼ 特定技能の12分野(法務省 特定技能ガイドブックより引用)

SSW事業部が展開する事業とは

現在SSW事業部では、12分野のうち「介護」分野に特化して、事業を展開しています。
なぜ介護分野に特化しているのかは後述します。

「特定技能 介護」領域で我々が提供するサービスは主に3つに分かれます。

1.人材紹介
➡インドネシア、インドなどの海外の教育機関や人材企業と提携し、日本で介護士としての勤務を志す人材と日本企業とのマッチング

2.登録支援サービスの提供(人材の管理)
➡法務省に認可された登録支援機関として、支援計画書作成、入国前~入国後の学習・生活支援全般、日本語教育など国が定める支援内容を一括して人材受入れ企業より受託

3.日本語教育
➡国家資格 「介護福祉士」取得をサポートする日本語教育プログラムの提供

上記の3つが主なサービス内容となります。

我々の事業における一番の特徴は受入企業への人材の「定着」に重きを置いてサービス展開をしている点です。

現地の教育機関との提携して事前説明会やガイダンスを開催し、人材と企業のミスマッチを防いでいます。
その他、日本語教育プログラムを通じて質の高い人材の供給と入社後の日本語教育、ZENKEN NIHONGO 介護という「介護福祉士」資格取得をサポートする日本語教育プログラム(年間約300本の動画レッスンと週2回のオンラインライブレッスン)を展開しています。

学習進捗はもちろん、毎日の動画視聴時間数や、ライブ授業の出席率や受講の様子など細かなデータから、外国人人材の勤続意識を可視化することができます。

提供するサービスに人材定着を実現させるための仕掛けを数多く組み込んでいるので、お客様に満足してご利用いただいています。


▲ 展示会に出展した際の様子

なぜZenkenが介護?

なぜZenkenが介護分野に参入したか……その理由は2点あります。

・大きな成長市場であること
・Zenkenの強みを活かせること

皆さんもご存じの通り、介護分野は労働力不足が常態化しています。
外国人介護人材の需要が高まっている一方で、語学力も求められている分野です。
対面でのコミュニケーションが欠かせない介護分野においては、日本語能力や日本への定着支援が課題となっており、長年語学事業を行ってきたZenkenの強みがフルに活かせる分野であると考えました。

特定技能12分野の中でどのような事業展開をしていくかを何度も上長と議論をし、まずは「介護」に絞って開始しようという結論に至りました。

新規事業が立ち上がるまでの経緯

事業参入するうえで、「語学教育」は当社の明確な強みです。

一方、介護施設では外国人介護人材を受入する上で「日本語教育」は大きな課題となっています。
日本語でしっかりとコミュニケーションが取れなければ、利用者の命にかかわるため、業務を任せることができません。

更に外国人介護人材は現行の制度ですと、4-5年働いてもその後、国家試験である介護福祉士試験に合格できなければ、帰国しなければなりません。
したがって介護現場で使える日本語教育だけを行っても、定着には直結しません。

そこで我々は、外国人人材が入社してから介護福祉士試験合格を目指すまでを網羅する日本語教育プログラムのコンテンツ制作から始めました。

介護についてはド素人だったため、介護領域のプロであり尚且つ日本語教師でもある経験豊かな講師陣にもプログラム制作メンバーとしても協力していただいています。

また大きな特徴として「学習の持続性」にこだわったコホート型学習を取り入れ、モチベーションを維持できるようサポートしています。
人材紹介後も定着までしっかりとサポートすることで企業様のニーズに応えることができています。

事業開始に際し、もう一つ提案したことは介護施設運営事業を開始することです。

これから外国籍を受け入れる介護施設のモデルケースとして運営を行うことで、受入のノウハウを上記のサービスと同時にお客様に伝えることでより価値が生まれると考えたためです。

Zenkenが運営する介護施設 Zenkenリビングでは、現在は業界団体とのセミナーや営業の際に伝えることに加えて、現在は実際に勤務しているインドネシア人材との座談会や見学会などの開催、勤務や日常生活の様子をSNS等で発信しています。
2024年にはインド人介護人材の採用も決まっているため、更ににぎやかになっていくと期待しています。

介護施設の運営については、介護業界の知識はもちろんのこと、行政とのやりとりなど当初は分からないことばかりだったため、Zenkenの管理本部からにフルバックアップいただき、無事事業譲受を行うことができました。

このように実現したい未来を訴え続けると、会社が一丸となってサポートしてくれるところにZenkenの良さがあると思います。

今後について

前述のように外国人人材市場は在留資格の制度は毎年のように変わりますし、人材側の国の状況も目まぐるしく変わっていきます。

送出す側の国の政策や経済、為替、治安……。
受入れ側は日本だけではなく、欧米を始め中東や東アジアの国々といった受入国側の制度変更や状況によって大きく左右されるため、我々も成功体験にしがみつくことなく円滑にトランスフォームしていくことが必要です。

我々の強みである「語学」を活かし、企業様が求める人材の供給力に加えて、市場・時流にマッチしたコンテンツを作っていき、受入企業様への定着を実現し続けることがクライアントからの信頼を得ることに繋がり、ひいては社会課題解決に繋がると考えています。

今後はZENKEN NIHONGO 介護での成功事例をもとに、宿泊や外食など他業種への展開を拡大していきます。

外国籍の「定着」を通じて人材と受入れ企業の双方に価値のあるサービスを提供していきます。

以上、SSW事業部の内田でした。