こんにちは。PRマーケティング事業部所属、デザイナーの市川です。
今回は、社内のデザイン業務についてご紹介いたします。

市川さんプロフィール写真

2016年の4月に入社し、現在はデザイナーとして英会話リンゲージのプロモーションを担当しています。
WEBデザインだけではなく、印刷物や、最近では動画のデザインにも関わることになり、表現の場が増えていくのがとても嬉しい毎日です。

そんな日々を過ごしていた私のもとに、とある依頼が入りました。それが、「ママ手帳」のデザインです。

ママ手帳とは?

全研本社にはすでに産休・育休や、働きながら子育てをするための制度が用意されていて、実際に出産を経験し、復帰したママさん社員の方が社内にいます。
社員が自由に閲覧できるように各制度の情報がまとめられているのですが、さらにわかりやすく、手に取って確認できて、楽しく使ってもらえるようにしよう!とスタートしたのがママ手帳制作プロジェクトです。

これから出産を経験する、もしくは出産したばかりのママさん社員の役に立つ手帳。そんな大切なアイテムを作るという重大な仕事を任され、とても気合が入りました。

ママ手帳ができるまで

さて、ここからは実際にどのような工程を経てママ手帳が作られたのかを、デザイナー目線で紹介させていただきます。

まずは打ち合わせでイメージの共有

最初は、依頼主である人事の方から、ママ手帳の概要を確認します。
誰がどんな時に使うのか、という基本の情報を知るのはとても重要です。使う人のことを考えたデザインをするためには、この打ち合わせでじっくり話をお聞きして、理解を深めます。

今回は「産休に入る女性社員がもらってうれしい、楽しい気分になる手帳」というテーマで作成することに。
写真などを使ってイメージの共有をしながら、ページの内容について入念に確認します。

ミーティング風景

ママ手帳下書き

今回は人事の方から「こんな感じで!」とコンテンツの内容がわかるラフを用意していただきました。プロジェクトによっては、こういうラフが無い状態からスタートすることもあります。
ラフで冊子の中身が明確になったことで、話し合いはすぐにまとまっていきました。

話の中で、制作物の方向性や最終形態を考えて、必要な業務を洗い出し、それぞれ担当者が決定します。
そこからスケジュールが確定して、進行の管理をしながらプロジェクトは動いていくのです。このような制作に必要な決めごとを調整して、進行をすることを「ディレクション」と呼びます。
ママ手帳では私はデザインのみを担当しましたが、通常の業務ではディレクションを行うこともありますよ。

下調べ・第一稿

打ち合わせが終わったら、早速デザイン!…と言いたいところですが、実はまだまだやることがあるんです。

まずは妊婦さん、ママさん向けの印刷物やグッズ、サイトなどを調べて、イメージやテイストをより具体的に固めていきます。
何も調べない状態で急にデザインに入ってしまうと、使う人に合わせたデザインとかけ離れてしまうからです。
下調べをすることによって、イメージがしっかりと固まり、完成形をより具体的に思い浮かべながら進められます。

136729デザイン前に徹底的にリサーチして、ユーザーにあったテイストを知る

この段階で手帳に使うイラストをいくつか選び、人事の方に確認をしてもらいます。
今回はイラスト素材を使用していますが、自分でイラストを描くこともありますよ。

さて、ここまで進めて、ようやくデザインに取り掛かります。
ラフをもとにざっくりとデザインを作り、第一稿が完成。担当の方に確認していただいて、OKが出れば第二稿に進んでデザインを更に詰めていきます。

第二稿

ここでは表紙や細かな部分のデザイン調整や、第一稿であがった修正の対応をします。

途中で何回か打ち合わせや確認をしつつ作り込んでいけば、出来上がりが見えてきました。

表紙・ページ内のデザイン
▲デザインデータを印刷して、チェックします。

第一稿と違うところは、より細かな部分のデザインを作り込んでいく、ということです。細部にまでこだわってデザインを仕上げ、伝わりやすいものにしていきます。
ここでのポイントは、依頼のあった修正点について、ヒアリングをしっかりと行い、相手が感じている問題点を理解すること。
言われた部分をただ直すのではなく、意図を知って提案するのもデザイナーの仕事です。

「使う人のために」
その思いは全員共通のものなので、常にイメージを膨らませて、思いにこたえられるデザインにしていくんです。

136729使う人をイメージしながら、デザイン&修正を行う。また、何故修正するのかを明確にして無駄な修正を減らすために、ディレクターとは密にやりとりする

印刷用データ作り&完成

デザイン工程が完了したら、冊子印刷用のデータを作成します。

印刷データ作成

実際にコピー機で印刷をして…実物に近いものを用意。誤字脱字のチェック、冊子になった状態でのデザインチェックが終われば、ついにママ手帳の完成です!

完成品

キャラクターやママ、赤ちゃんの柔らかい雰囲気のイラストをたくさん使用して、見ているだけで楽しくなるデザインです。

冊子を印刷する紙は人事の方に選んでもらい、めくりやすくなっています。
デザイン中はPCの画面とにらめっこすることの方が多いので、こうして出来上がった手帳を見ると、ワクワクします!
出来上がったものを手にとる瞬間は、デザイナーにとってとても嬉しく、そして幸せな時間です。

最後に

わかりやすく伝えられる冊子とはどのようなものか。楽しく制度を利用していただくには、どんな伝え方がいいのか。そうした点にディレクターとデザイナーが力を注いで完成したのが、ママ手帳です。

市川さん写真

今回は社内で製本できるよう、簡易印刷用にデザインを作成しました。そのため、簡略化された作業もあります。
プロジェクトごとに進め方やポイントは少しずつ変わってくるのですが、それを楽しめるのもデザイナーの醍醐味です。

ママ手帳のプロジェクトでは、担当の方と直接関わり、二人三脚のように一つのものを作っていくことができました。
これから女性社員の皆さんをサポートするアイテムとして手帳が使われていくのかと思うと…今から楽しみです!

私は、課題や悩みを持つ方々の伴走者のような気持ちで、デザインで誰かの助けになれるようなデザイナーを目指しています。今回の経験を活かし、これからもデザインで人を支える、助けることを目標に、腕を磨いていきます。