こんにちは。
人事広報の梅田です。

私は今でこそ文系職種をやっていますが、実は新卒で入社した別の会社ではシステムエンジニアをやっておりました。当時ですらもう新しくなかった言語COBOLをかじりながら、日夜ガシガシ働いていたのが懐かしいです。

そんな縁で、今回のブログでは、昨年から今年3月にかけて行われた、全研本社の新しい取り組み「AI技術コンテスト」についてご紹介したいと思います。

AIブームが本格的になってきている今日この頃、このブログがエンジニア志望の方だけでなく、社内でAIエンジニアを育成したいという企業のご担当者の方にもご参考になれば幸いです。

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おさらいしよう!AI技術コンテストとは

『AIを活用して、現在の業務に活かせるツールを開発する』というコンセプトで行われた、全研本社の社内コンテストです。

開催が決定した当時は業務にAIを取り入れていなかったので、参加者についてもエントリー段階では知識がないことを前提としていました。そのため、コンテストの第一目的は「人工知能に関する技術・ナレッジを獲得すること」に決定。結果、開発系職種以外にWEBディレクターやSEOアナリストなど、ふだんは開発に取り組んでいないメンバーからも申し込みがありました。

詳しくは、前回のブログをご覧ください。

→→→ エンジニアの力試し・・・AI技術コンテストとは?

コンテストのスタートから最終報告会まで

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コンテストは、昨年8月に参加者を募って9月からスタートし、今年3月末までの半年間、全6チームに分かれて、それぞれが企画した開発プロジェクトを進行しました。

企画は、日ごろの煩雑な作業を助けてくれる便利なツールからWEBセキュリティ診断まで、さまざまなアイデアが登場しました(詳細は社外秘になりますので、この記事の中でご紹介できないのが残念です)。

まずは前回のブログで触れていない、中間報告会や最終報告会の様子を中心に振り返りたいと思います。

10月末 中間報告会

10月に行われた中間報告会では、参加者一人ひとりが、プロジェクトの進捗状況や、いま勉強している内容などをパワーポイントにまとめて発表しました。

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▲中間報告会の様子。思いのたけを語りたいメンバー多数で、この日はちょっと終了時間をオーバーしました(笑)

通常の仕事との兼ね合いもあるので、プロジェクトの進み具合は人によってまちまちの様子。ただ、コンテストを競い合うバチバチ・メラメラした雰囲気はなく、お互いの成長を喜びあう様子が感じられたのが印象的でした。

普段は事業部を越えて開発メンバーが集まる機会があまりないので、このコンテストが連帯感を養うきっかけになっていたのかもしれません。

この日は、報告会の後に社内で簡単な懇親会も行われました。

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▲懇親会の様子。普段は接点のないメンバー同士ですが、コンテストという共通の話題があるので会話が弾んでいました。

3月末 最終報告会

時は流れて3月某日。6チームによる開発プロジェクトの最終報告が行われました。

コンテストの審査員として、林社長、システムソリューションセンター 鈴木部長、経営企画 鷲谷部長が参加。メンバーたちの取り組みの結果を見届けました。

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▲最終報告会の様子。

中には、ツールのプロモーションビデオまで制作して臨んだ猛者もおり、熱のこもったプレゼンテーションが繰り広げられました。また、実際に当社の英会話スクールリンゲージなどに取り入れ可能なアイデアも発表され、今後の展開が待たれます。

審査員からは『日ごろの仕事から効率化のヒントを探り、それをAIという手段で解決するという試み、またAI=チャットボットという発想にとらわれない柔軟なアイデアが面白かった。プロジェクト同士を組み合わせたらもっと面白いかもしれない』と、おおむね好評のコメントをいただきました。

突撃!主催者インタビュー

というわけで、AI技術コンテストの発案者である、R&D事業部 雨森次長に今回の取り組みを振り返ってのご感想を伺いたいと思います。

梅田
梅田 今回のAI技術コンテストを通して、ズバリ得られたことはなんですか?

 

雨森次長
雨森 もちろんコンテストの過程で、参加者達のAIへの理解が深まったのは間違いないのですが、それ以上に、副次的に新しい技術やナレッジが手に入って、即、業務に活かすことができたのが嬉しい誤算でした。

梅田
梅田 その嬉しい誤算について、ぜひ具体的に教えていただけますでしょうか。

 

雨森次長
雨森 今回の参加者たちには「開発する環境を作る」ところから始めてもらいました。通常の業務であれば用意されているものをフルスタックエンジニアとして自分でイチから設定するわけなので、その経験がないほとんどの社員が苦戦していましたね。

梅田
梅田 そうなんですか。みなさん、開発環境を構築するところから……。

 

雨森次長
雨森 はい。基本的に運営側からは手厚いサポートはしないと明言していたので、メンバーそれぞれが自分でより良い方法を模索していました。そんな中、ある社員がチャレンジしたのが、Dockerの導入です。

Docker(ドッカー)とは:

開発用のマシン上に、本番環境と同じLinuxやミドルウェアをセットアップして環境を作成したり、それを手軽に配布したりできるようなソフトウェア。

雨森次長
雨森 プラットフォームの差異や、各ミドルウェアのバージョンの差異をなるべく無くし、本番環境に近い状態で開発が可能で、さらに、それをチームの仲間と簡単に共有できるので、参加者たちは次々と難所を乗り越えていきました。非常に有用な成果だったので、コンテストの途中でしたが直ちに進行中のプロジェクトへの導入を決めました。他にも、コンテスト期間中に得たテクニックや技術がさっそくそれぞれの部署で活かされていますので、個人の成長だけでなく会社にとっても大きな成果があったと感じています。

梅田
梅田 コンテストに参加したメンバーそれぞれが、期間中に学んだことを現場に持ち帰っているんですね。では逆に今回、失敗したことはありますか?

 

雨森次長
雨森 やはりチームによって達成率に差がでてしまったことは心残りです。それぞれのチームが企画と計画と目標を定めて半年間、活動をしてきましたが、99%の達成率の凄腕チームもあれば、目標が高すぎて達成率20%で終わったチームもありました。

 

梅田
梅田 通常のお仕事をしながら、並行してコンテストに参加していたので、目標を達成するためには、まずスケジュール管理が課題になりそうですね。

 

雨森次長
雨森 そうですね。あとは、参加者一人ひとりが、モチベーションをいかに維持するかも大切ですね。

 

梅田
梅田 なるほど。作りたいという情熱があってこそですね。それでは最後に、今後の展開について教えてください。

 

雨森次長
雨森 今回のコンテストは技術の習得が第一のテーマでした。今後はマネタイズも視野に入れていきたいと思っています。既に、今回の技術コンテストの内容をビジネスモデル化して、次回のZERO(※社内の新規ビジネスコンペティション)にエントリーしたいというメンバーもいます。今後も盛り上げていきたいと思います。

梅田
梅田 ありがとうございました。

参加した社員からも感想をいただきました

今回は、最終報告会を終えてほっと一息している一部の参加者たちにも、感想を寄せていただきました。

メガフォン

CMS事業部 鎌田さん(テクニカルディレクター)
6ヶ月という期間はさまざまなことができる時間と考えていましたが、実際に動き出してみると十分と思っていた時間はあっという間でした。また、AIというまったく知らない分野を学習・実践することは、今まで培ったものが活かせない部分が多く、 さらに時間の進みを早く感じさせました。
プログラミングだけでなく幅ひろい知識とそれを吸収しようとする意欲が必要となります。今回はしっかりとした成果を上げられませんでしたが、引き続き挑戦を続けて目に見える結果を目指します。

メガフォン

R&D事業部 西久保リーダー(エンジニア)
技術コンテストに参加しようと思った理由は、AIが世の中で流行っていたこともあり、関連するライブラリやAPIに触れることができるよい機会だと思ったからです。
AIについて漠然とした知識はあったものの、実際に何かを作るのは初めてでしたので、作るものを考えることが一番大変でした。私のプロジェクトは、業務中の会話から知識を蓄積し、共有を行うボットの開発でしたが、その中でIBMのWatsonに触れることが出来たのは良い経験だったと思います。
可能性のある分野だと思いますので、引き続き勉強して、また何か作りたいです。

メガフォン

システムソリューションセンター 中嶋主任(セキュリティエンジニア)
「AIとは何か」コンテスト出場を決めた日からずっと考え続けていました。Pythonや機械学習、WatsonなどのAIの知識や技術を身に付け、AIとは何かという問いに作品という形でひとつの答えを出すことができたと思います。
自ら企画して制作し、どのようにビジネスにしていくかまでを発表できたことは大きな経験になり、あらためて「ものづくり」の楽しさを感じることができました。AIを人間の良きパートナーとするために、これからも研究を続けたいと思います。

半年間、真剣に取り組んだみなさん、おつかれさまでした!

まとめ

初めての技術コンテスト、かつ長期的なスパンで行われた取り組みでしたので、途中にはさまざまな出来事がありました。仕事や家庭との両立がむずかしくなり、途中で断念した社員たちもいます。また、雨森次長のインタビューでも話題にあがったように、達成率のばらつきも課題になりました。
ただ、エンジニア達の知的好奇心を刺激し、未知のナレッジを手に入れるイベントとしては一定の効果を得ることができました。

エンジニアとして、作りたいものにチャレンジでき、それをさまざまな経験を持つ仲間がレビューしてくれる機会は、参加したみなさんにとっては貴重だったのではないかと思います。コンテスト期間は終わりましたが、みなさんにはぜひ、今後も楽しんでプロジェクトに取り組んでいただけたら嬉しく思います。

今回生まれたアイデアから、新規事業の芽が育つ……かも!?

以上、人事広報の梅田でした。