HRビジネスパートナー事業部の折間です。季節はすっかり春の陽気で暖かい日が続いていますが、皆様いかがお過ごしでしょうか。

さて今回は、「視点を変える」をテーマに健康美容EXPOチームで行っているコンテンツ制作について、紹介いたします。

業界のデータを、もっと見やすく

現在制作チームでは、健康美容業界の関係者向けに、有益な情報を発信するよう日々心がけています。
その一環として、健康美容EXPOで公開しているのが、「機能性表示食品制度」についてのページ。

ページキャプチャ
>>機能性表示食品制度の情報ページ<<

「機能性表示食品」とは

食品の機能性を分かりやすく表示して、消費者が正しい情報を得られるように平成27年4月から始まった制度です。

この制度によって、「おなかの調子を整えます」「脂肪の吸収をおだやかにします」など、特定の効果が期待できる食品の機能性を表示することが可能に。
科学的根拠に基づいたデータをまとめて消費者庁に届出をして、受理されたものが機能性を表示して販売出来るようになります。

平成30年3月27日現在、機能性表示の届出受理数は1,331製品。
特定保健用食品の1081製品を抜き、現在も食品、健康食品、果物、野菜などのメーカー、農協などたくさんの企業が開発を進めており、今後も届け出製品数を伸ばしていく見通しです。

EXPOならではの独自性

健康美容EXPOは、消費者庁で公開されている届出情報から届け出数をデータ化し、情報をまとめています。
ただ、消費者庁のデータをそのまま載せても、独自性はありませんし、消費者庁のサイトで事が足りてしまう情報であれば意味がありません。

そこで、健康美容EXPOでは、視点を変えて情報公開をしています。
各メーカーの研究開発者の視点に立って、商品ではなく、「機能性関与成分」を軸に一覧表にしました。

開発者は、新商品を開発するにあたって、どの成分でなんの機能性が取れているのか、どの部位に作用する成分が多いのかを調べていると考え、表の軸を「表示しようとする機能性」と「体の部位」に分けて表を作成することに。

機能性関与成分別一覧

縦軸は、届出製品数の多い順に並んでいるため、どの機能性関与成分を使った製品が多いのかが一目瞭然です。

独自の集計方法で「機能性関与成分」毎に、どんな機能性、またはどこの部位に対して機能性を表示しようとする製品がいくつ受理されているのかが一覧で確認することが出来ます。

例えば、難消化性デキストリンは、トクホ(特定保健用食品)でも多く使われている成分ですが、機能性表示食品でも届出製品数は1位です。
表示しようする機能性は、「中性脂肪」「血糖値」「整腸作用」で、部位は「お腹」で届出されていることが分かります。

次いで、
「EPA、DHA」・・・「中性脂肪」「記憶力」
「GABA」・・・「血圧」「ストレス」
「ヒアルロン酸Na」・・・「保湿」
「イチョウ葉(省略)」・・・「記憶力」「血流」
と続き、業界全体で多く使われている成分が一目で分かります。

消費者庁に届出をするには、科学的根拠が必要になるため、臨床試験やシステマティックレビュー(文献)を提出する必要があります。

開発者の視点から見ると、中性脂肪、血糖値、整腸作用で機能性表示を確実に受理出来る製品開発をする際、すでに実績が多数ある難消化性デキストリンを使えば、届出受理の確率が高いという判断材料としても活用出来ますね。

また、他社製品と差別化した製品を開発しようと考えた場合、実績が多い機能や部位よりも、他が出していない機能性を狙っている企業もいます。

例えば、「体の部位」の「肝臓」で届出受理されている、クルクミンという素材。ウコンなどに含まれている成分で、1300製品を超える機能性表示食品の中で唯一「肝臓」で届出受理されています。
そうなると、例えば肝臓系、飲み過ぎ・二日酔い対策用のドリンクメーカーなどから、注目されるようになるわけです。

このように表を見る人の目的によって、様々な視点でデータをまとめることが出来ます。

注目するデータを変えてみると・・・新たな発見が

今度は、「体の部位」だけで表をまとめてみました。そうするとまた違った景色が見えてきます。

体の部位ページ

体の部位別でみると1位がお腹、2位が目、3位が肌です。
お腹は先程も登場した難消化性デキストリンが牽引しています。

お腹表

目は、ルテイン、ビルベリー、アスタキサンチンが多く扱われています。

目 表

肌だとヒアルロン酸が強いですね。

肌 表

合わせてデータをみると、業界全体の動向、傾向、またメーカーがどの市場を狙っているのかなどがわかり、私自身改めて気づかされることが多いです

新しいコンテンツ作りにも使える、データの見方

機能性表示食品制度は、今年の4月で施行から丸3年となります。
この3年のなかで登録製品数が1000を超え、そのデータも蓄積されてきました。

現在健康美容EXPO制作チームでは、今までのデータから機能性表示食品の傾向を分かりやすくするため、データの追加を考えています。
そのために制作チームで行っているのが、情報のさらなるデータ化。

まずは成分別にランキングにしてみると、TOP5はこんな感じです。
(以下のグラフは、制作中のものになります。今後掲載されるグラフとは異なります)

機能性表示 受理数データ1

1位 難消化性デキストリン
2位 EPA,DHA
3位 GABA
4位 ヒアルロン酸Na
5位 イチョウ葉(省略)

累計数でみると、難消化性デキストリンが圧倒的。ですがこれは業界の方であれば、誰もが知っている周知の事実です。

このデータに、時間軸(届出受理された日)を入れるとまた別の見え方が出来ます。

機能性表示 受理数データ2

すると、2017年4月以降、その他の成分は受理数の推移が落ちているのに対して、イチョウ葉の届出数が顕著に伸びていることが分かります。イチョウ葉の機能は、主に認知機能、記憶力の維持です。

表示しようとする機能性を見ても、同じ時期に「記憶力」が伸びているのは、イチョウ葉の受理数が伸びていることと連動しています。

機能性表示 受理数データ3

これによって、業界で注目されている成分、またその成分でどんな機能性を取れているのか、傾向が読み取れるようになります。

一つのデータを真正面からだけではなく、
正面

右からも・・・
右側

左からも・・・
左側

更には上からも・・・
上

このように、色々な角度・視点から見ること。
これがニーズにマッチしたコンテンツを作るためのきっかけに繋がるのです。

健康美容EXPOでは、引き続き業界関係者の視点に立って有益な情報を発信し続けて参ります!